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契約書検討・作成の必要性

弁護士に契約書の作成・検討を依頼する必要はあるのでしょうか

世の中には契約書式集やひな形が沢山出回っていますし、仲の良い余所の会社から契約書式を貰ってくることもできます。

そうした書式集やひな形などを手直ししたり、切り貼りしたりすれば、契約書は作れるのではないでしょうか。

後々訴えられてしまうような契約内容ではいけないと思いますが、そのような内容ではないと思います。

敢えて弁護士に契約書の作成・検討を依頼する必要があるのでしょうか?。

率直なところ、これはケースバイケースです。

実は、契約書に関するお問い合わせで最も多いのは、契約しようとする相手方から提示された契約書に、相手に都合がよく自分にリスクのある内容が含まれていないかチェックしてほしい、というものです。

これは顧問先の企業からも、顧問先以外の企業からも頻繁に依頼があります。

取引相手を別段疑っているわけでなくても、取引先の方で用意している契約書にそのまま署名捺印するのは不安だという理由です。
特に最近ですと、相手方が用意してある契約書の中に免責条項や損害賠償額の限定条項などが入っていることなどが多くなってきていますので、それらをそのまま受け入れて良いのかどうか疑問に思う機会も増えているのだと思います。

そうした場合、法的に問題がある場合はもちろんですが、法的に問題があるとまでは言えない場合(契約してしまうと有効になる場合)であっても、契約締結前であれば、「弁護士がこれは不公平なのではないかと言っている」などの理由で交渉していく余地があります。そのような場合は弁護士に依頼することで交渉戦略上のメリットが得られます。

またそれ以外では、自社側で用意しておく定型契約書に関する依頼もしばしばあります。この場合は、契約書の草案が出来た段階でその妥当性の最終チェックを依頼される場合が多いですが、新しく立ち上げる業務などのご説明を聞いて契約書自体はこちらでいちから作る場合もあります。

これは後々訴えられたりしないかということよりは、なるべく自分に有利で、かつ契約交渉をスムーズにしたいという理由が主で、どちらかというと交渉戦略上のメリットを求めて、ということだと思います。

いずれにしても、傾向としては後々裁判にならないように、また裁判になっても困らないように、というよりは、契約交渉を有利かつスムーズにしたいというニーズが高まっているのが現状で、そのような点でメリットが出るようなチェックを心がけています。

もちろん、裁判になった場合のことなどを想定するのは言うまでもなく非常に大切なのですが、近年の契約書に関するニーズはそれだけではない、ということです。

一方、個人的には、上記のようなメリットがあまり出てこないケースであれば、弁護士に依頼する必要性はそれほど高くないと思っています。

そもそも企業であれば、ある程度の契約書は自社内で作れる体制にしておかないと業務が回っていきません。また、一度も自分で契約書を書いたことがないということですと、契約書の読み方すら身につけるのも、専門家から言われたことを十分に理解するのも難しいのではないかと思います。
ですので、弁護士抜きでも法務部や法務担当者が相当程度の契約書を作成できる体制が基本的には望ましいと考えます。

ただし、それは一定水準以上に法的な知識のある方が作るのが前提です。

この点、法務部等のない中小企業の場合にたまに見受けられることですが、仲のよい別の会社から契約書の書式を貰ってきて、「これはあの会社で何年も使ってきている契約書だから問題はないはずだ」と思っていらっしゃる場合があります。

これは非常に危険な思いこみです。
業態が似ているから使えるはずだと思っていても、実は法的には似て非なるものだという場合があります。
また、ある会社にとって有利に定められている条項が、別の会社にとっても有利だとは限りません。
さらに、そもそも「何年も問題が起きていない」ということは、契約書に問題があるかないかという要因よりも、企業間の取引自体がうまくいっているかどうかという要因による比重が大きいのです。いざ取引関係がこじれた場合に、その契約書で問題が解決できるかどうかはまた別問題だとお考え下さい。

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